2006年4月29日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】サンパウロ州工業界は今年三月までに五カ月連続の経済成長を遂げ、景気回復に向けて明るい兆しを見せている。
サンパウロ州工業連盟(FIESP)とサンパウロ州工業センター(CIESP)の合同発表によると、三月期の工業活動指数(INA)は価値修正付で前月比一・一%上昇(価値無修正で一〇・八%)し、五カ月連続の上昇を見せた。
昨年一年間の上昇が一・八%だったのに対し、今年三月までの第1・四半期のみで昨年同期比八・六%の上昇を遂げた。同指数は昨年十月期のマイナス一・一%を最後に上昇転じ、十一月は二・九%、十二月は二・四%、一月が一・八%、二月と三月も同様の一・八%となり回復の兆しを見せた。しかし第2・四半期に不透明要素が多く、第1・四半期よりもインパクトが小さいことで年内の上昇は五・五%から六%に落着くとみている。
今後の展望については明るい材料が揃っているとして工業成長に楽観的姿勢を見せている。国際市場では金利安が続いており、ブラジル輸出産品の需要増が根強いことに加え、国内需要も明るさを取り戻してきたと分析する。
まず基本金利(Selic)の引き下げ気運にともない、インフレを上回る最低賃金の調整による購買力の上昇を理由に挙げている。さらに商店筋の長期月賦ローンによる販売促進が後押ししていることも要因だとしている。
三月期の指数上昇で分野別では食品が前月比一・三%増と注目されたが、機器類が四・一%とダントツを示したことで、各企業が工場手直しや増設に動いているとみられている。このほか金属分野(機械を除く)が一・二%増、電気機器が〇・五%増と気を吐いた。
逆にマイナス成長となったのは輸送機(自家用車を除く)で七・八%、事務機器や電信器の四・六%、電機機械の三・六などのハードだった。さらに中国製品に押されて長期間不振あえぐ繊維、靴、プラスチック成型機械などが立直りをみせていないほか、基幹産業の石油化学や医薬業界もマイナス二%の成長となり、アンバランスの様相を呈している。