2006年4月29日(土)
今週末から日本でゴールデンウイークがはじまって国会が閉会することから、続々と政治家が来伯する。その筆頭は、九八年六月の移民九十周年の小渕恵三外務大臣(当時、故人)以来、大臣としては八年ぶりとなる中川昭一農林水産大臣で、五月三日に来伯する。内閣府からは桜田義孝副大臣が二日に、その他、自民党衆議院議員団五人も三十日から来聖する。
多くはエタノール関連だが、櫻田副大臣は経済・金融についての視察。北海道選出の中川大臣にはブラジル北海道協会が歓迎会を準備するなど、日系社会の団体との懇談の場もそれぞれに用意されている。異例ともいえる政治家ラッシュは、日伯経済の再活性化への拍車となりそうだ。
中川農水大臣は五月三日朝来伯し、昼からサンパウロ市のブラジル北海道協会(大橋皖吾会長)主催の歓迎会に出席し、日系代表三団体らとも懇談する。同協会では、婦人部が手によりをかけてフェイジョアーダを用意するほか、焼き魚などの日本食も準備している。
そのあと、イビラプエラ公園の慰霊碑参拝、移民史料館視察など。
翌四日は日帰りで首都ブラジリアへ。フルラン開発相と会談、ルーラ大統領にも面会を申し込んでいる。
主な目的は、世界貿易機関(WTO)新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)に冠する意見交換をおこなうため。時事通信によれば、来伯前に寄るジュネーブでは、WTO事務局長、アモリン外相とも会談する方向で調整している。
五日は、〇四年に小泉首相が視察したプラドポリスのエタノール関連施設を訪問し、ロドリゲス農務大臣と彼のファゼンダで会談したあと帰国する。
櫻田副大臣は五月二日から四日まで来伯し、三日にはブラジリアでベルナルド予算企画大臣と会談するほか、フルラン開発大臣とのも調整している。二日には慰霊碑で献花、史料館視察、サンパウロ市のカサビ市長を表敬する。そのほか、千葉県選出とあって千葉県人会関係者も含めた日系団体との懇談会も用意されている。
四日は東山農場視察、ブラジル日本商工会議所との懇談したあと北米へ発つ。
自民党衆議院議員団十二人(うち衆議五人)は四月三十日に着聖し、慰霊碑参拝、日本館や史料館視察、日系団体との懇談。翌五月一日は商議所と懇談。二日はエタノール生成工場視察、トヨタ工場視察したあと帰路につく。
メンバーは奥野信亮衆議、宮下一郎衆議、山際大志郎衆議、井上信治衆議、薗浦健太郎衆議。ほか同党の総合政策研究所から研究員七人が同行する。
相次ぐ要人との面談を控え、交代したばかり松尾治県連会長は「てんてこ舞いですよ。まずは日本祭りへの協力をお願いしたい」と語った。
商議所の田中信会頭は政治家ラッシュに関して、「今までこちらから何人もの大臣が訪日していたわりに、来伯は八年ぶり。大臣が来られるのは非常にけっこうなこと。この国は自分の目で確かめてもらうと、印象が違ってくる人が多い。経済関係が活性化してきた良い兆候だと思う」と歓迎のコメントを寄せた。