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2006年4月29日(土)

 「百周年のプロジェクトはいつ決まるんですか?」と地方在住の一世婦人から編集部に電話があった。返答に困った。こちらとしても是非報道したいところだが、何も具体的に決まらないのだから、打つ手がない。指摘しても先生方はどこ吹く風。先日、百周年協会は「広報に重点を置くこと」を広報するというユニークな記者会見を行った。二十九日から再スタートする執行部に期待したいところだが…。
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 日本でいう自己規制を含む「不適切な表現」が邦字紙によくあることに、読者から色々な意見を頂く。その多くが「味がある」と好意的。しかし、それらの字句が政府代表機関の発行するものに使用されれば、意味合いも違ってくる。それも派遣国に対するものであれば、なおさらだ。在リオデジャネイロ日本国総領事館がほぼ毎月発表している治安情報は、ファヴェーラを「貧民窟」としている。巣窟、阿片窟、私娼窟など決していいイメージでは使われないようだが…。【窟】ほらあな。いわや。あなぐら。人のあつまるところ(広辞苑より)
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 エスペランサ婦人会相談役で元副会長の梶山八重子さん(82、長崎県出身)が二十五日午後十一時三十分ごろ、サンパウロ市内の病院で亡くなった。梶山さんは、リベルダーデ広場でラジオ体操をしているときに転倒して頭部を打ち、集中治療室で手当てを受けた。心臓に問題があったため、麻酔を使用。意識不明の状態が続いていた。葬儀は翌二十六日に、ヴィラ・アルピーナ墓地で営まれた。初七日は行わない予定だという。
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 一五四九年、日本に初めてキリスト教を伝えたことで有名なイエズス会宣教師フランシスコ・ザビエル。今月七日は彼の生誕五百周年だった。スペインに生まれ、ポルトガル王ジョアン二世の依頼でインドのゴアへ。マラッカで鹿児島出身の弥次郎に出会い、日本へ布教に赴く。一五五二年、日本人青年を初めて欧州に連れて行った。同年十二月に中国の上川島で病没。享年四十六歳。後に教皇により列聖され、ブラジルサルバドールの守護人にも。日系カトリック教徒が中心になって一九二八年創立の最古の日系コレジオにも同氏の名前が付けられた。