「ジャポネース」、街で見知らぬ人からそう呼ばれることがある。ドイツ系らしき人を「アレマン」と呼ぶのも聞く。
民族名?で呼ぶのは、移民国家のブラジルならではかもしれない。でも、それが行き過ぎることもあるのかな、そんな事を考えさせられる光景に出会った。
先夜東洋街のバールで、若者の一団が騒いでいた。店員に向って叫んでいる。ドイツ系のようだった。
その外見からか「Nazista(ナチ主義者)」と大声でからかう。ヨーロッパならそれだけで問題になりかねない話だが、店員はただ苦笑していた。
調子に乗って連呼する若者たち。その中に日系の子弟が数人いた。知らないのかな、自分たちの祖先もかつて「敵性国民」とされた時代があったことを。教わっていないのかもしれない。少々気が沈んだ。
それがメーデーの前日。六十一年前にヒトラーが自殺した日だった事に気がついた。(ま)
06/05/03