ボリビアのサンファン日ボ協会の会報『ABJ通信』(月刊)が四月号で、高齢者読者にも同会報を配布する、と通知をしていた。高齢者を大切にしよう、の措置のようだ。さきの総会でいったんは「八十歳以上で後継者がいる世帯(同居、別居にかかわらず)に発行物は配布しない」と決議されたのだが、従来どおり各世帯に配布するというのである▼ボリビアの日系社会の人口はざっと一万四千人、オキナワ移住地、サンファン移住地は〇四年、〇五年にそれぞれ五十年の歴史を刻んだ。一世移民の正確な数は定かでないが、高齢化が年数相応にすすんでいるのは確かである▼後継者がいる世帯には会報を配布しないという決議が撤回?されたのは、敬老精神の表れであろう▼この会報は十六ページの小冊子、うち日本語が十四ページのがっちりした編集である。協会の月間予定、会議の議事録、関係人物の動き、保健情報、随想、若者の研修報告、隣国移住地の団体視察報告、農業ニュース、国内・日本のニュース短信などがぎっしり詰め込まれている▼月間予定のなかで目立つのは医療関係行事の通知だ。各種検診、相談のほかに高齢者デイサービスまである。自分たちの医療のことやお年寄り対象の支援行事は、自分たちの自助努力でできるだけやろう、という方針が読み取れる▼それにしても、移民社会というのは、国こそ違え、よく似る。ブラジルと比較し、こじんまりまとまっているというのが、会報一覧後の実感である。(神)
06/05/03