2006年5月4日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】ビンゴ疑惑を追及してきた議会調査委員会(CPI)は調査期限が完了することを受けて、今月三十日までに最終報告書をとりまとめて六月六日に議会で承認議決を受ける方向で作業を進めている。
ビンゴ業者からの不正政治献金に端を発し、数々の疑惑が明るみに出たことからビンゴCPIと名付けられたもので、最終報告書では疑惑は全面的に解明されておらず、引き続き捜査は不可欠だと具申される見通しだ。
報告書作成者のアウヴェス上議(ブラジル民主運動党=PMDB)は、三件の疑惑につき捜査を続行するよう要求する考えを明らかにしている。第一は二〇〇二年に時のサント・アンドレ市長殺害にともなう労働者党(PT)のヤミ資金の流れで、第二はパロッシ前財務相の失脚の原因となったスキャンダル事件、第三はルーラ大統領の資金疑惑とくにオカモト小・零細企業支援サービス機関(SEBRAE)総裁の関与の追及を挙げている。
第一のサント・アンドレ市に関しては、時の市長が何者かに殺害されたことで、PTへのヤミ資金の流れが明るみにでた。サンパウロ州警察では市長殺害は身代金目当ての誘拐から殺人に発展したとの結論に至ったものの、CPIでは政治がらみの殺人事件だと断定し、さらに捜査が必要だとしている。
時のダニエル市長はPT党員でありながら、市をあげての汚職でPTへの不正資金に手を染めるのに反対して殺害されたとして、その政治的背景を追及すべきだとしている。サント・アンドレ市では当時、運送会社や清掃会社に業務の便宣を計る見返りに賄賂を取り、ジルセウPT総裁(前官房長官)の元に運んでいたもの。
第二のパロッシ前財務相のスキャンダルについては、連警がリベイロン・プレト市長時代の汚職疑惑で起訴する方針を固めていることから、CPIでは邸宅管理人の通称ニウドの銀行口座不正開示につき、実行犯とされている連邦貯蓄銀行頭取とともに背後関係をさらに追及すべきだとしている。
第三の大統領および娘への資金の流れでは、オカモト総裁の銀行口座開示が不可欠だと指摘している。オカモト氏は最高裁に個人守秘権を申し立てそれが認められて開示を逃れている。CPIではこれを糸口として大統領周辺の資金の流れを解明し、場合によっては大統領の疑惑をも追及する糸口としたいとの方向性を示している。