2006年5月5日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】サンパウロ州連邦高裁は三日、サンパウロ市労働裁判所建設に絡む汚職事件で起訴された当時の現職労働裁判判事と元上議および建設会社幹部二人の計四人に対し、有罪判決を言い渡した。
判決は元判事に二十六年六カ月の実刑と罰金一二〇万レアル、元上議三十一年の実刑と三一五万レアルの罰金、ならびに両者の資産没収となった。工事会社の二人はそれぞれ三十一年と罰金二七〇万レアル、二十七年と罰金一二〇万レアルが言い渡され、この種の犯罪では稀にみる最高刑となった。
一審では判事に八年の実刑判決が下されたが、ほかの三人は無罪となったことで検察が控訴していた。二審ではこれを破棄、有罪としたもの。
事件はサンパウロ市労働裁判所の新設に絡み当時のニコラウ判事が仲介役の元上議と画策し、工事請負会社から賄賂を受取っていたもので、連警の捜査では一億ドルに上るとしている。判事のスイス銀行の口座に四〇〇万ドルの隠し預金が見つかったほか、米国マイアミ市に八七万ドルのアパートを購入したことも突き止められ起訴された。
史上空前の判事の汚職事件としてニコラウ事件として注目された。ニコラウ被告は七十八歳の高齢で、さらに新事実がないことで刑務所拘留はされず自宅監察となる。
公判は検察の最終弁論が六〇〇ページに及んだことから十一時間にわたった。検察は一番の怠慢審議を逆転させて有罪に持ち込んだことで喜びに湧いていた。