終日混雑するメトロ=1日30万人利用=ビリェッテウニコ適用で=それでも車よりはマシ
2006年5月5日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】バスと、メトロ、パウリスタ鉄道(CPTM)を同時に使用できる乗車回数券(ビリェテ・ウニコ)が昨年末に実効となったことで、メトロの利用客が一気に増加した。これによりピーク時間帯が実質上なくなり、終日ラッシュアワーの様相を呈している。以前は満員電車を一、二本やり過ごすことで空いた車内に入り込むことができたが、今は四、五本やり過ごしても満員の状態が続く有様となっている。ホームも満員で危険をともなうことから、構内である程度列が少なくなるのを待つ人も多く出ている。電車の運転間隔も二、三分おきと平常通りで、今のところ改善策は見当らず、利用者は我慢を強いられることになる。
回数券の利用が可能になって以来、メトロの利用客は一日三〇万人増加して、二八〇万人と史上最高を記録している。エスピリト・サント州の州都ヴィトリア市の人口が三一万三三一二人であり、市民全員がメトロに殺到した勘定となる。これによりホームと電車は満員となり、立つ余地がなく危険な状態に陥っている。
メトロ公社によると、最も利用が多いのは赤色三号線(東西線)で、一平米当たり八人相当となっている。以前は七・五人だった。青色一号線(南北線)は六人、緑色二号線は四人で、スシ詰め状態に達している。公社では回数券利用で五%の増加と見ていたが、実数は九%の増加になったという。しかし実数が固定されるには九〇日間様子を見る必要があるとしている。
さらに公社ではサンパウロ市内のメトロ乗車数は世界の標準以下であり、満員はメトロの常識であり、ある程度の我慢は致し方がないとの見方をしている。サンパウロ市の場合、一キロの走行数に対し八八〇万人の乗客を運んでいるが、モスクワでは一二〇〇万人、東京では一一二〇万人、香港は一〇一〇万人、ソウルは九六〇万人になっている。
最も混雑の激しい駅はセー駅で、三号線と一号線の乗換えのみで構内は超満員となる。構内ではホームが一杯になる毎にエスカレーターを停止させている。利用客からは不満が出るが、ホームへの人出を制限する唯一の方法だという。階段を利用させることで押し合いがなくなり、人の流れが緩和されて事故の危険度が減るという。
毎日バラ・フンダとタトゥアペ間を利用する男性は、三〇分早く家を出て構内のラッシュが収まるまで時間待ちをする。車を利用すると渋滞で一時間以上要するが、メトロの乗車時間は二十五分以内であり、構内で三〇分時間をつぶしても利用価値があるという。
当局が警戒しているのが車内での盗難と、女性の身体などに触る痴漢行為で、満員が続くことで増加するとみている。二十五歳の女性は満員を良いことに体を触ってきた男を車外にツマミ出したという。CPTMでは痴漢行為は日常茶飯事で、警備が手薄なことから泣き寝入りが多いが、これまでメトロでは経験がなかったと憤慨している。
リオデジャネイロ市では先月から女性専用車両がお目見得したものの徹底されず、男性が乗り込むのが相次いだ。サンパウロ市でも検討中だが完全実施には時間がかかるとみられている。実施しても今の状態では車両が空いていれば構わず乗り込んできて統制が取れないとする声が多い。