2006年5月6日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】ボリビアの天然資源国有化を協議するため、モラレス大統領を囲んで開催された四カ国首脳会談は四日、ブラジルにとって何ら進展もなく、ルーラ大統領はガス安定供給の言質を得ることもできなかった。ベネズエラのチャベス大統領とアルゼンチンのキルチネル大統領も迎えた首脳会談は、報道陣を除き、三時間にわたって行われた。モラレス大統領が席上、ペトロブラスの発言は恫かつであると抗議した。いっぽうルーラ大統領は、ガス供給価格決定の保留を了承した。ボリビア政府の契約不履行に対する国際訴訟もペトロブラスに許可しないことを言明し、投資は継続することを大統領は約束した。
プエルト・イグアスー市で行われた四重奏演奏会は、ブラジルが契約の履行とガス安定供給などの大切なことも要求しない上、ペトロブラスにはさるぐつわをはめ、大統領は手ぶらで帰還する弱腰な会談となった。会談は前以って、チャベス大統領とモラレス大統領の間でシナリオができていたようだ。
会談後チャベス大統領が記者会見に応じ、会議は南米にガス・パイプラインを敷設する大プロジェクトの前奏曲と簡単な説明をした。ボリビア政府の国有化宣言によって生じるブラジルへの影響など一顧だにしていない様子だ。言及したのは、ボリビアの国家主権と民主的解決だけの人を食った話であった。
ルーラ大統領は交渉次第と勇ましく会談へ出かけたが、本番ではヒゲを抜かれた猫のようだった。ボリビアへ投資をするのはペトロブラスではなく、別の投資会社がボリビア石油公団を含めた海外事業へ投資継続を行うという。
次回会談は十二日、外務省代表とペトロブラス代表を引き連れてラパスで行う。これが相手の立場と権利を尊重したルーラ流交渉術なのだそうだ。大統領の流儀によれば、前以って話し合われた約束は、文字になった約束に較べると無意味だという。
ボリビア政府はペトロブラスが既に行った投資に対し賠償金を払わずに、ガスの値上げができると思ったら大間違い。それとも国際司法裁判所で、新しいガスの供給価格を争うかのどちらかになる。プエルト・イグアスー市へ大統領に同伴したガブリエリ総裁は、公言を避けて語った。
四首脳会談は、ボリビアの資源国有化が同国の財政再建に賭けるもので、三カ国が理解を示したことを確認した。南米ガス・パイプラインの大プロジェクトへの参加に招かれたモラレス大統領は近日、ボリビア国民の生活向上のため公式回答を寄せることを約した。
ルーラ大統領は、ブラジルが南米の覇権ではなく共栄を望んでいることを宣言した。四カ国は南米共同体の結成を妨げる行動を採らないし、南米が永久に貧乏大陸であることも望んでいないと述べた。
駐伯ボリビア大使は四日、ブラジル政府がガスへの課税を減税して供給価格の調整に協力するよう要請した。ガスの価格調整は、ボリビア経済の再建に向けた一種の国際協力だという。たとえ南部や東南部へのガス配給価格が値上げされてもインフレ再来はないし、配給価格はブラジルの国内問題であるとした。