2006年5月6日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】連警は四日、保健省を舞台とした組織ぐるみの大掛かりな汚職を摘発、関係者四十六人を逮捕した。さらに逃亡中の八人の行方を追っている。逮捕者は元下議二人、上議の秘書及び補佐官十一人、保健省と産業開発省の高級官史らとなっている。
一味は市衛生局に救急車を無償交付すると各市に持ちかけ、下議や関係官庁の許可を不正に取りつけて市場価格の倍以上の不正上積価格で国庫庁に請求してだまし取っていた。
連警では二〇〇一年から一四〇件以上の不正を告発し、〇四年から電話盗聴などの内偵を続けて裏づけがとれたことから今回の大量検挙に踏み切った。
調べによると、これまで一〇〇〇台以上の救急車を納入、市価の倍以上の高値で総額一億一〇〇〇万レアルを国庫庁からだまし取っていた。この請求に対し、下議の秘書ならびに関係官庁の高官らが不正に関連していた。
首謀者はマット・グロッソ州に本社を置くプラナン社で、自社製救急車を売り込むのに関係者を抱き込んで政府予算を引用することを思いついた。手始めに同州七十五市に政府交付金で救急車を納入することに成功、これに味をしめて全国六州に十一支店を開設して手を広げた。
たまたま同社の女性社員が昨年八月、フェリッペ保健相の補佐官に就任したことから組織ぐるみへと発展した。彼女は決済書にメクラ判を押し、数百件に上る不正案件を承認、一件につき二〇〇〇レアルから一万レアルの手数料をちゃっかり着服していた。
逮捕された通称ビスポのロドリゲス元下議(自由党=PL)は労働者党(PT)不正資金スキャンダルで裏金を受取った一人として告発され、議員剥奪を回避するために下議を辞職した札つき議員で、容疑を認めて自ら出頭した。いっぽうのサンチアゴ下議は〇二年に再選されたものの、買収工作の罪で選挙裁判所から議員権を剥奪された、いわく付きの議員だ。
大量の補佐官や秘書の逮捕者が出た下院は上を下への大騒ぎとなっており、議員自身の関与にも捜査の手がのびるのは必至で、新しいスキャンダルに発展する可能性がでてきた。関連議員らはいずれも覚えがないことだと身の潔白を強調、逮捕された部下を解雇処分にするとの態度を表明している。