2006年5月6日(土)
未払い金三十六万?――。昨年七月の第八回フェスティバル・ド・ジャポンに多額の未払い金が発生していることが分った。会場設備などの業者から請求が来ているもので、四日の県連代表者会議で新執行部が明らかにした。総額は最大で三十六万レアルに上る可能性もあり、松尾新体制は発足早々、対応を迫られている。一方、前執行部はこれに対し、契約分については支払済みで業者との話し合いもついているとの立場を示しており、両者の間に微妙な認識の違いもあるようだ。降ってわいた「借金」問題。今年のフェスティバル準備への影響も懸念される。
松尾体制に移行してからはじめての代表者会議で、衝撃的な事実が明らかにされた。
昨年開催された第八回フェスティバル。開催費用のうち、会場設営などいくつかの外部業者に未払い金があることが執行部から報告された。
状況を説明した大西博巳副会長によれば、金額は大きなもので二十一万レアル。さらに、会場となるイミグランテス展示場の使用料についても、今年のフェスティバルで使用しない場合、昨年分の未払い金が発生するという。最悪の場合、総額は約三十六万レアルに上る可能性がある。今年の県連予算(十八万七千レアル)の倍近い額だ。
これらの金額は、前回会計には計上されていない。実行委員長をつとめた田畑稔相談役によれば、契約した分についてはすでに支払済みで、これらの請求は追加分であるという。
昨年度フェスティバルの入場者数は、当初の見込みを大幅に下回る十万人にとどまった。このため期待された入場料収入がなかったことから、前執行部が業者と交渉し支払いの減免を求めた経緯がある。次年度以降のフェスティバルを見込んだ考慮も働いたようだ。
会場のイミグランテス展示場とも、今年と来年の開催を通して相殺していく約束が交わされていた。しかし、今回の役員改選で中沢会長退任、松尾新執行部へと移行したことから、未払い金として請求が来たものと思われる。
イミグランテス展示場については、すでに契約を交わしていることもあり、今年も使用する見通し。ただ、使用料十五万レアルのうち第一回分の支払期日が迫っていることから、緊急に金策が必要な状況になっているようだ。
この日の代表者会議で、松尾会長は県人会代表に対し年会費の前払いを要請。加えてスポンサーやバザリスタへの協力を求めていく考えを明らかにした。
降ってわいた高額の未払い金問題。中沢宏一前会長は、自身がサインした契約については全て支払済みと説明。実行委員長をつとめた田畑稔相談役も、これらの金額については追加の請求分であり、その金額があまりにも高額であることから、すでに業者側と話し合って双方納得済みであった、とその立場を説明する。現執行部との話し合いでもその旨が説明されている。
今後の成行きについては、現時点では不透明な状況。執行部では、まず契約の詳細を把握してから対応を検討する考えだ。松尾会長は、「一つ一つ、話し合いながら解決していきたい」と語っている。
会議ではまた、今年度フェスティバルの加藤恵久実行委員長が進行状況を説明。現在、会場設計と予算の検討を行なっており、来週には発表が可能であることが報告された。加藤委員長は、「各県人会一人一人の協力をいただいて、皆さんと一緒に第九回フェスティバルをやっていきたい」と語り、協力を呼びかけた。
県連内に20委員会を設置
この日の代表者会議では、県連内部に二十の小委員会を設置することも決った(表参照)。
これまであった委員会に加え、広報や青年交流、婦人部など新しい委員会が設けられた。また、将来の桜植樹に対応するための「桜の会」委員会や、県人会の法律問題に対応するため法務委員会なども新設されている。
日本移民百周年と県連創立四十周年委員会には松尾会長が就任したほか、各委員会をまとめる総務担当に吉加江ネルソン相談役。吉加江氏は県連百周年イベント委員会の委員長もつとめる。在外選挙権、県連四十周年記念誌委員長には網野弥太郎顧問が就任した。
会議では執行部が、各委員長と委員の名簿を提出、出席者の承認を求めた。会長代理の出席者からは就任を辞退する声もあったが、一部変更の可能性を認めつつ拍手で承認された。