2006年5月9日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙七日、八日】労働者党(PT)始め政界全体を揺るがせた裏金疑惑が表面化してほぼ一年、PT元事務局長のペレイラ氏が八時間にわたってグローボ紙とインタビューを行い、疑惑の舞台裏を披露した。
「裏金調達の主役ヴァレーリオ氏とPT幹部らは一〇億レアルを手に入れるつもりだった」と元事務局長は述べ、資金調達先として、エコノミコ銀行、ペルナンブッコ・メルカンチル銀行、オポチューニティ銀行と農牧業関係の金融機関を検討していたことを明らかにした。
また名前は挙げなかったが、多くの企業が資金をプールし、それが裏金の源になったと語った。見返りとしてそうした企業は政府との事業契約や許認可の国会承認を獲得、入札を勝ち取るために談合も行っていたという。
裏金調達を命じていたPT幹部は誰かとの質問に対しては、ルーラ大統領、ジェノイーノ前党首、メルカダンテ上議、ジルセウ官房長官ら名前を挙げ、自分は幹部に入っていなかったと答えた。現在明らかにされていない他党も裏金に関与、ヴァレーリオ氏以外にも多数の裏金調達者が存在し、汚職を許す構造自体が変化しないかぎり裏金の調達と配布は続くだろうと語った。
ペレイラ氏のインタビューを受けて、ビンゴCPI(議会調査委員会)は今週中にも同氏の喚問を行うことを決定。連邦会計検査院(TCU)は、ルーラ政権が発足した二〇〇三年以降に結ばれた政府・各種公団と企業との契約を入札の有無に関係なく再点検する方針を固めている。