2006年5月10日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】一九九〇年代にマルフ市政が企画・実施したシンガプーラ計画(低所得者対象の共同住宅供給計画)により建設された、サンパウロ市内の住宅二万二〇〇〇戸の四五%当たる一万戸が不法に占拠されている。
市の住宅局によると、マルタ市政時代に入居が進められたボンレチーロ区のパルケ・ド・ガット団地では、四八六戸のうち一五〇戸が不法に占拠されているという。不法占拠者は市の監督が不十分なことを悪用し、市の割り当ての順番を無視して、住宅の売却や第三者への又貸しなどを行っている。
同団地で住宅のあっせんを行っている住民二人は、同紙記者に1DKや2DKの間取の住宅六戸を最高一万七〇〇〇レアルの価格で紹介した。他に新聞に広告を掲載する人もいるという。賃貸の場合、家賃は月四〇〇レアル前後で不法占拠者の六五%は滞納している。同団地は所得の一〇%から一五%の家賃で市が貸しており、所有権の移転は実際には不可能となっている。
一方、シンガプーラ計画により供給された住宅の家賃は五七レアルで、約五〇%が滞納。実施から十年以上経過したが、誰も賃貸契約を正式に結んでいない。二万五〇〇〇レアルで販売されることもある。
こうした問題について住宅局のアウメイダ局長は、不法占拠された住居の所有権回復手続きを行い、滞納家賃の回収も強化するとコメントした。