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大耳小耳

2006年5月10日(水)

 退職した谷口中佐は士官学校時代や軍警に入った当初、日本語をしゃべらないようにしていたという。当時は「まわりがあまりいい顔しなかった」という。ところが、日本から来た要人らを警備したりするうちに、だんだん認められ、むしろ日本語能力が高く評価されるようになった。「ちょっと真面目すぎると言われることもあるけど、親の教育には感謝している」という言葉からは、日系としての特性を職歴に活かした強い誇りが感じられた。
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 先日開かれた文協図書館の古本市。今年から値段別コーナーを設置するなど「今回は特に若い人たちが引っ張っていってくれた」と図書委員長の宮城さんは語る。沢山の人で賑わう会場で、大量に売れ残っていたのがマンガ本。「四、五年前は言語習得のためにマンガを利用する人が多かったためよく売れていた」と宮城さん。日本語の授業を受けられる学校が増え「マンガで言語習得」という発想が消えたことや、日本のマンガが手に入りやすくなったこともあるようだ。日本語が浸透してきた現状は嬉しいが、古本が売れないのも困る?
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 出走料がある運動会。バウルーでは青少年の百メートル走、マラソンなどの種目には非日系人の参加希望が多く、走れば上位を占める。無制限だと秩序が保たれない、と少額の入場・出走料を徴収、バッジをつけて競技に参加してもらっているようだ。ブラジルで特異の発展を遂げている日本文化「ウンドーカイ」、日系人の青壮年層はデカセギもあって、参加者が減少、非日系人が増えるのは道理か。