高飛車なら情け容赦無用=対ボリビア交渉で=外相、大統領の胸中明かす=軍隊出動は幼稚な演出
2006年5月11日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】アモリン外相は九日、ボリビアの資源国有化で同国のモラレス大統領とベネズエラのチャベス大統領による、ブラジル政府への背信行為があったことをルーラ大統領が確認したと述べた。ペトロブラスへのボリビア政府の対応次第では、交渉当事者が強硬姿勢で臨むよう指示したことを明らかにした。さらにルーラ大統領はチャベス大統領に対し、提案されたガス・パイプライン南米大陸横断構想と南米共同体は同大統領の出方次第であると通告。またモラレス大統領に対し、ペトロブラスへ陸軍部隊を送り込んだことは不要で幼稚な茶番劇であると断罪した。
チャベス大統領の行為は内政干渉であり、南米共同体を損なうものだとアモリン外相が上院外交委員会で語った。大統領の意中は、公式声明とは裏腹の強硬なものである。モラレス大統領が交渉で高飛車に出るなら、情け容赦は無用というものであった。
ブラジル政府は、宣戦布告を出すような剣幕である。ベネズエラが裏で手を引くボリビアのペトロブラス乗っ取り計画に対するブラジルの報復とみられる。ブラジル・ベネズエラ間に生じたあつれきは、簡単には解消できないと外相は言う。ガス価格調整とペトロブラスの資産賠償の複雑で長い時間を要する交渉が十日に始まる。
ボリビアは大統領選挙が終わり、第一回戦が済んだところ。第二回戦に七月の議会召集を控えている。ボリビアはルーラ政権の三年間に大統領が四人も交代したので、安定政権が求められている。元大統領の一人メッサ氏は石油法の整備で失脚した。
モラレス大統領の幼稚なパフォーマンスは、議会対策の一環と外相はみている。軍隊派遣は正門前に留まり敷地内には入らなかったが、敵対行為とみなすというのだ。上院外交委員会では、ボリビア政府の声明を容認したことで厳しい追求があった。ボリビアへの対応について二つの意見があったようだ。政府の弱腰非難と誤解の解消優先だ。
チャベス大統領のペトロブラス乗っ取り計画は、南米横断ガス・パイプラインに疑心暗鬼の影を落とした。プエルト・イグアスー会談へのチャベス大統領参加は、ボリビアへの干渉との疑問が投じられた。外相は南米全土のエネルギー供給が目的と説明した。
資源国有化は、ボリビアの歴代大統領が試み実現に至らなかった経緯があり、ブラジルにとって寝耳に水ではない。予測できなかったのはモラレス大統領の手法である。ベネズエラやコロンビア、ボリビアは、政権獲得時にはルーラ大統領に援軍を求めた。
ボリビアの教訓として外相は、ブラジル企業は政情不安な国々へ多大な投資を行い、現地法人を築いているので、過激派政権の誕生は覚悟するよう注意した。ヴァーレ社長の言葉を借りるなら、「エッフェル塔から石油は出ない。マンガンは五番街にない。求める物がある所へ、地獄であろうとも出向くのが事業」という。大豆栽培でボリビアへ移住した農家も同様だ。