毎度お騒がせの仮釈放=重罪犯出所に上院が待った
2006年5月12日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】ブラジルの刑法は一般に理解できない程の複雑さを呈している。とくに仮釈放は遂一明文化されておらず、判事の判断に委ねられていることから重罪犯人でも判決が有罪でも刑に服することなく釈放されたり、刑なかばで仮釈放されて普通の生活を送って周囲をビックリさせることがある。
最近で話題になったのは両親殺しのスザネ被告と実犯のクラビノ兄弟の仮釈放、さらに同じく実父及び継母を殺害した男の保釈など、尊属殺人の仮釈放の判事見解だ。
仮釈放の条件は勾留期間、事件が解明されて証拠隠滅の怖れもなければ新事実も出ないこと、被告に確定した住所があり、生活も安定していて再犯の可能性がないこと、などを基に判事が判断することになっている。しかしこれには弁護士の粘り強い主張が必要で、金持ちが保釈されて貧乏人がいつまでもクサイ飯を食べる所以となっている。
ジャーナリストで元恋人を殺害して、冷酷な重罪として起訴されたピメンタ事件の被告は十九年の有罪判決を受けながら、これらの条件を満たしているとして自宅監察で刑務所送りを免れた。被害者の遺族は「紙の上での実刑判決」と激怒、判決を言い渡した裁判長も「(刑務所収監免除は)不本意だが、法を遵守したまで」と述べている。
重罪犯人が仮釈放で容易に仮出所してくることを重視した上院は三日、立法委員会で新法案を承認、議決を得るべく下院に送付した。議決されると大統領の裁可を受けて実効となる。それによると条件つき仮釈放(セミ・アベルト、昼は出所でき夜は刑務所に戻る)は刑期の五〇%を満たした服役者にのみ許可する。現行では刑期の三分の一を完了した時点で権利を有する。
例を挙げると三十年の刑期だと、これまでは十年で仮釈放となったが、今後は十五年後となり、再犯の場合は三分の二となる。これは現行と変わらず、また初犯での監察付き仮釈放(夜戻る必要なし)は現行通り三分の二の刑期を完了した時点で申請できる。ただし服役態度、更生への意欲などが審査されて許可の運びとなる。
そもそも重罪の判決があった場合、仮釈放は認められず刑期満期まで収監されていた。それが今年三月、最高裁が人道的立場から違法だとして刑期の六分の一で仮釈放とする見解を発表した。これを受けて政府が六分の一は短すぎるとして三分の一とする暫定令を発効した。今回の上院決定はこれを刑期の五〇%に延長させたもの。