2006年5月16日(火)
【既報関連】「それじゃ、変えた意味がないじゃないですか」。十三日に開かれたブラジル日本文化協会理事会に出席した松尾治副会長(県連会長)は納得できないといった風に首をかしげた。
行事前倒しが検討されていた、サンパウロ市の移民の日関連行事。十七日の線が有望だったが、当日を一カ月先に控え、関係団体の足並みの乱れが目立ってきているようだ。
この日の理事会ではサンゴンサーロ教会のミサが十八日午前十時五十分から、イビラプエラ公園の開拓先亡者追悼法要が移民の日翌実の十九日午後一時半から始められることが、連絡事項として報告された。
W杯の影響(日本対クロアチア戦開始は十八日午前十時)で期日の変更を仏教連合会から示唆された文協が県連に連絡。県連では今月四日の代表者会議でイビラプエラ公園、日本移民先没者慰霊碑前での仏式追悼法要を十七日に前倒しした経緯がある。
松尾県連会長は「(仏連が十七、九日と)別々に法要してくれるなら、問題ない」と話しつつも、十九日に変更する考えも示す。このままでは、移民の日の関連行事が十七、八、九の三日にまたがって行われることになるからだ。
かつては早朝ミサと言われたサンゴンザーロ協会の追悼ミサ。年々遅くなってはいるが、今年は異例の午前十時五十分。この件に関し、理事会で関根隆範副会長は、調整のため連絡が遅れたことを説明。別の日や他時間の変更は教会側のスケジュール上無理だったという。
大講堂での法要が十九日になった理由については、領事館や商工会議所からの意見を反映させたことも明かす。十五日の木曜日は聖体記念日。連休を利用し旅行する人が多いためだという。
「旅行って…。元々出席していない人たちでしょう」とある理事はいぶかる。
松尾文協副会長(退職届は受理されていない)の県連会長の就任により、結束が固くなると見られていた御三家の文協、県連――。
先人を偲ぶことをその大きな目的の一つに挙げる百周年を目前に、移民の日関連事業開催に足並みが揃わない状態のようだ。