2006年5月17日(水)
十五日のサンパウロ市は鶏小屋のようだったと海外生活の経験がある人はいう。バグダッドの市場は砲弾の爆発音が絶え間なく聞こえるが、市民は何もなかったように商売に精を出している。ナチス・ドイツに昼夜空爆をされたロンドンでは毎日平常通り営業活動が行われた。決まり文句は政治が悪いと無責任一色。サンパウロ市は心理的に恐怖を増幅する機械らしい。州政府はPCCとの話し合いに応じないとしているが、リオデジャネイロ市では当局が密かに犯罪組織と交渉をしていたことが後日判明した。
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サンパウロ州警察組織犯罪捜査課(Deic)は十月の選挙で連邦下院議員とサンパウロ州議員を当選させようとPCCが肩入れする候補者の確認を急いでいる。傘下の組織に融資して利息を取るほか、PCCは選挙資金として毎月七〇万レアルを超える上納金をメンバーから徴収。メンバーは刑務所内十三万人、所外では一万人を超え、家族・親戚が三人いるとしても三十九万票と、議員を当選させるには十分な票田だという。
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労働者党(PT)はオポチュニティ銀行元頭取のダンタス氏のビンゴCPIでの証言を阻止すべく動き出した。同氏は、ソアレスPT元財務担当からオポチュニティグループと政府のゴタゴタを解決する名目に四〇〇〇万から五〇〇〇万ドルを要求されたとヴェージャ誌に語っている。
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人員削減を発表したフォルクスワーゲンに続きGMも十五日、為替差損を理由に七月までにサン・ジョゼ・ドス・カンポス工場の従業員の一〇%に当たる九百六十人を解雇すると発表。しかしリオ・グランデ・ド・スル州のグラヴァタイー工場では六百七十人を新規採用する予定。