2006年5月17日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙四月三十日】駐フランス伯大使を務めたマルコス・アザンブジャ氏が、南米の風潮となっている大衆迎合に注意するようブラジルに警告している。風潮にのって大衆迎合の旗振りをすると、興奮の余り冷静な判断を誤るという。
イデオロギーに夢中になると国際間に不信感を招き、ブラジルの未来を危うくする。外交政策は、党方針や産業分野を超越したものでなければならないと同氏は忠告する。べネズエラのチャベス大統領の口車に乗ってもいけない。チャベス節はたまたま原油の高騰に乗った一時的現象で、本物ではない。
ブラジルは、途上国師団から離脱していると警告。国連安保理の常任理事国入りや世界貿易機関(WTO)の専務理事を狙うよりは、国際外交の場で必要な、説得力のある言葉や表現の勉強をすべきであると述べた。実力が備わる前にハッタリで勝負をするのは止めたほうがよい。
ルーラ大統領による南米のリーダー気取りは、周辺諸国から敬遠されている。労働者党(PT)政権の外交政策は、素人外交で個性と衝動、先走り、ジグザグが多く融通性に欠ける。リーダーとは自然に風格が備わるもので、出しゃばるとウサン臭さが鼻につく。ブラジルの農業生産や技術、研究がすでにリーダーの風格を示威しているというのだ。
ボリビアは、ブラジルからペトロブラスを始め多くの企業が進出し密接な関係にある。しかし、ブラジルはボリビアの代弁者ではないし共営者でもない。類似性もない。