サンパウロ市、平静を取り戻す=半信半疑で外出の市民=軍警は「犯罪人狩り」続行
2006年5月18日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】PCC(州都第一コマンド)の一連の無差別襲撃が発生してから五日が経過した十六日、サンパウロ市は大きな動きがなく、表面上は平静を取戻した様相を呈した。
商店や会社が襲撃などの危害を避けるために早じまいしたのに加え、路線バスがストップしたことで、十五日は市内が大混乱に陥ったが、一夜明けた十六日は商店なども平常通り営業、バスも運行を再開した。
この背景には、州政府筋は否定しているものの、PCCの総元締めと言われるカマッショ、通称マルコラ被告(麻薬取締法違反および殺人の罪で服役中)との間で何らかの交渉が成立し、襲撃および刑務所暴動の中止指令が出されたとみられている。
PCCの幹部はラジオ・レコルデのインタビューでこれを認め、刑務所内での日光浴(所内散歩)と弁護士の接見が許可されたと証言した。この証言を重視した連邦警察は、犯罪人との合意は憲法に抵触するとして調査を命じた。しかし上院などの一部関係者は人命の犠牲を避けるために交渉は妥当だとする声も多い。
いっぽうで、襲撃停止命令にもかかわらず十六日、サンパウロ州内とくに内陸部で二十七カ所の警察署や消防署が襲われ、またサンパウロ市内北部で二台のバスが焼き打ちされた。さらに警官が多く住む公営住宅に機関銃が撃ち込まれる事態が発生した。
これを受けて軍警司令官は態度を硬化、上層部が犯罪組織との間でいかなる交渉が成立しようとも、軍警は「犯罪人狩り」を続行するとの新たな宣戦布告を表明した。その証しとして十六日に三十二人のPCCメンバーを射殺したことを明らかにした。これにより十二日の発生以来、犯罪人の射殺は七十一人に上った。司令官は、追及の手を緩めないことからこの数はさらに増えるだろうとの見解を示した。
市民は十六日朝、前日の悪夢のような混乱から覚め切れぬ二日酔いの状態で朝を迎えた。ほとんど外出を控えた中、勤務のある人らは市内が平静に戻りつつあるとのニュースを聞きながらも、半信半疑で外出した。焼き打ちの危険性があるバスは避け、比較的警備が行届いているメトロに集中した。このため主要道路は通行する車が少なく閑散としていた。
南北の幹線道路のヴィンテ・エ・トレイス・デ・マイオ大通りの交通局前は中央に位置して、車が集中し渋滞のメッカだったが、朝のラッシュ帯でも走行車は数えるほどの異常な状態だった。市内の渋滞は平均十五キロで土曜日の午後五時ごろの空いた様相を呈した。商店も通常の三〇%の人出しかなく、手持ちぶさたで早じまいする店が相次いだ。