2006年5月19日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】国内での車の運転者にとりストレスの最大原因は渋滞によるノロノロ運転で、片や歩行者のストレスの矛先は運転マナーを守らぬ無謀運転者に向けられていることが、調査で明らかになった。
自家用車、バス、トラック、オートバイの保有台数は全国で四二〇〇万台となっており、サンパウロ市のみで五五〇万台と人口の半数に接近している。年々増加するのは陽の目を見るより明らかで、改善の方法もなくストレス解消の最善策が見当たらないのが実情だ。サンパウロ市ではメトロの延長や新路線開業でわずかに好転の兆しが見えているが、根底は車社会であり渋滞が解消するとは思われない。
交通管理モニター協会が全国八州都(サンパウロ、リオデジャネイロ、ベロ・オリゾンテ、レシフェ、フォルタレーザ、サルバドール、ポルト・アレグレ、クリチーバの各市)で調査を行った結果、運転者の最大の不満は渋滞で六二%を占めた。次いで道路の穴ボコで一〇%、割り込み運転と別の車の表示怠慢がともに八%、クラクションがうるさいが七%、多すぎる信号が四%となり、渋滞でのイライラがダントツだった。
いっぽうで歩行者の不満は運転マナーの悪さが五〇%、次いで横断歩道上での停車が一二%、歩行者用信号の不足が七%、クラクションが六%、横断時間が短いが六%、歩道の悪状態が四%となった。
この中で渋滞の原因としてバスやトラックが車線を守らずに走行しているため二車線を占有したり、バスが連なるため追越し運転で他の車を遮断することを挙げる向きが多かった。歩行者ではオートバイの無謀運転を非難する声が多かった。
サンパウロ市に限ると渋滞の不満は七一%で、前出の平均より一〇%高い。穴の不満も一三%と高くなっている。市内のタクシー運転手は渋滞のみならず、表示も不足しており、取締官は罰金を科す機械になり切って交通整理を忘れていると決めつけている。
またバスの運転手はオートバイの急増と無謀運転が渋滞の原因だとして、事故が起きるとバスのせいにすると苦笑している。オートバイ運転手によると、携帯電話を使用しながら運転するため注意が緩慢で話に夢中になり、ノロノロ運転で渋滞をさらにひどくすると指摘している。携帯電話使用は禁止されているが、取締りは徹底していない。車の窓ガラスが黒く中が見えないのも取締りの妨げとなっている。