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年々低下する国際競争力=足を引っ張るのは経済政策

2006年5月19日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】経済の国際競争力でブラジルは六十一カ国中五十二位に位置し、昨年よりワンランク下げた。ランキング付けを専門とし定評のある、スイスに本部を置く国際企業開発院(IMD)が十日に発表したもので、ブラジルが意外と停滞していることに注目している。
 二〇〇二年には三十七位に付けて将来性を誇示したにもかかわらず、年々ランクを下げていることを憂慮している。競争力の低下の最大原因は政府の経済政策によるもので、ベネズエラ、アルゼンチン、イタリア、ポーランドとともに政府が経済成長の妨げていると分析している。
 これに加え、法制度の不備も改善されず公的機関の業務が世界水準の最低に分類されると決めつけている。これによりルーラ現政権と国際企業との間で認識の隔りがあり、経済成長に影響を及ぼしているという。
 ランキングは六十一カ国を対象に各分野を分析したもので、トップは米国、次いで順にシンガポール、アイスランド、デンマークに競争力がある。開発途上国では中国が十九位と昨年より十二ランクアップとなって特記事項となった。インドも二十九位に浮上、将来性をアピールした。
 ブラジルはほとんどの分野でマイナス点となり、今回の調査で異質となった。とくに経済パフォーマンスでは十位下げて四十三位となった。国内経済は十三ポイント下げて準最下位に甘んじた。これは雇用減と国民所得の小幅な伸びが原因となった。所得は世界的に上昇したのに反し、ブラジルはわずか二・三%増に過ぎなかった。南米で比較するとベネズエラとアルゼンチンはともに九%上昇し、コロンビアでも四・五%増だった。
 汚職と政府の不透明性が国際信用度を落し、これもイタリアとベネズエラとともに準最低に位置づけた。さらに準最低は税制および資本コストの高率にも及んでいる。これにより新会社設立に官僚主義による遅れと高いコストが強いられている。さらに高金利も評価落ちの大きな要素となっている。
 いっぽうで、これ以下のランキングにならなかったのは、インフレの低下と経常収支の黒字、さらに生活コストの安さが原因となっている。また国の債務の返済状況や株式市場の活況もプラス要因となっている。今後GDP対比の債務減少および金利引き下げが実行されるとランクは上向くと指摘している。