2006年5月19日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】開幕まで一カ月を切ったサッカーのワールドカップに向けて、国際サッカー連盟は十七日、ピッチ内で選手やチーム関係者による政治及び宗教的行為を禁止することを決定した。違反した選手らは退場処分になるほか罰金が科せられる。
同連盟によると、純粋であるべきスポーツの場で政治や宗教を誇示する風潮が高まっており、分離するために禁止したと説明している。とくに政治的国際紛争や宗教的対立が各地で勃発している現在、世界中に放映されるワールドカップが宣伝材料に利用されるのは阻止すべきだとの認識を示した。
そもそも同連盟がこの問題を取り上げたのは、二〇〇二年の東京・ソウル大会でブラジル代表が優勝を決めた後、輪を組んで勝利の祈りを捧げた際にエヴァンジェリコ(福音)派の選手や関係者がユニフォームを脱ぎ、下に来ていたTシャツを誇示したことにある。Tシャツには同派のスローガンの「一〇〇%キリスト」などが書き記されていた。当時、連盟は各選手に二〇〇〇ドルの罰金を検討したが、すでに済んだこととして不問に付された。これが今回の禁止の直接原因となった。
一方で連盟は同日、大会に出場する三十二カ国代表の世界ランキングを発表した。ブラジルは前大会以後トップをキープした。二位以下は順にチェコ、オランダ、メキシコ、米国、スペイン、ポルトガルとなった。アルゼンチンは九位、イタリアは十三位。予選でブラジルと対戦する日本は十八位、クロアチアは二十三位、オーストラリアは四十二位にランク入りした。