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天然ガス増産計画前倒しへ=ボリビアへの依存極力抑える

2006年5月20日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙十九日】エネルギー自給をテーマに十八日に大統領府で開かれたエネルギー政策審議会(CNPE)で、政府がエスピリト・サント州の海盆などに埋蔵される天然ガス開発・生産計画を当初予定(六、七年後)より前倒しで進めていく方針が確認された。
 ペトロブラスのガブリエリ総裁は、二〇〇八年以降国内で生産される天然ガスを日糧二四二〇万立方メートル増やす計画を明らかにした。現在、国内のガス消費量は日糧三六〇〇万立方メートル、うち二五〇〇万立方メートルはボリビアから輸入されるガスで供給されている。天然ガスの需要は二〇一〇年まで年二〇%増加するとみられ、完全自給には及ばないまでも需要増加分をカバーし、ボリビアへの依存を極力抑えたい考えを同総裁は示した。
 またロンドー鉱山エネルギー相は、ディーゼルオイルへの植物油の混合や、火力発電所で天然ガスの代わりにエタノールやディーゼルオイル、液化天然ガスを利用する計画を発表した。九月にはリオデジャネイロ州の発電所で燃料の代替が開始される予定。
 ロドリゲス農務相は植物油の混合により、大豆の需要が一二〇万トン増加し、相場の下支えとなると計画を評価した。火力発電所でのエタノールの利用については、さとうきび収穫前の供給不足により自動車用エタノールの価格が最近まで高騰したこともあり、慎重に計画を進める必要があると専門家らは警告している。