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蛭CPI設置を申請=連立与党、阻止に向け調整

2006年5月20日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】保健省を舞台とした救急車購買に関する議員汚職いわゆる救急車スキャンダルで連警のメスが入ったのを受けて上院と下院では十八日、議会調査委員会(蛭=ヒルCPI)の設置が正式に申請された。
 これには下院二二九議員、上院三十一議員が賛成の署名をした。CPI開設には下院一七一議員、上院二十七議員の署名が必要で、これを上回った。
 しかし政府をはじめとする与党の連立政権は、疑惑議員が自党に多いことから、阻止する方向で調整を始めており今後の与野党の攻防が注目される。
 議員の一人は、保健相補佐官が連警に提出した灰色議員は多数に及び、これらだけで議長選出の絶対数になるので、CPI開設は闇に葬られるだろうと冗談半ばで語っている。
 CPIは二〇〇三年以来十五件が設置され、ほとんどが成果なく立ち消えとなった。現在継続しているのは上院のビンゴCPIと下院の銃器密売CPIだけ。両院合同のメンサロン(裏金)CPIは国会スキャンダルの調査で内外に知名をはせたが、結局ジルセウ前官房長官ほか二人の議員権はく奪のみに終わった。
 いっぽうで国民の憂慮することについて九九年以降国内八大都市で世論調査を続けているマーケット・アナリズスの今年の調査では、汚職が第二位にランクされた。一位は失業で三二・六%、それに次ぐ一九.八%となった。
 インフレが抑制され始めた一九九四年のレアルプラン以来、失業のほか貧困や治安が暦年上位を占めてきた。とくに九三年のコロール・ショックでも汚職への懸念は五%と低率だった。