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物流、税制改革が急務=FIESP理事が貿易展望=商議所

2006年5月23日(火)

 ブラジル日本商工会議所主催(田中信会頭)の定例昼食会が、十七日サンパウロ市内のホテル・シーザー・ビジネスで行われ、FIESP(サンパウロ州工業連盟)国際関係・貿易部理事のロベルト・ジアネッチ氏が「ブラジル貿易の展望」について講演した。
 講演に先立ちあいさつに立った在ブラジル日本大使館の大竹茂公使は、ブラジルのデジタルテレビ方式の選択に関連して、「欧州勢がしぶとく粘っていますが、(日本の方式が)いいものはいいに違いないので、ぜひブラジル政府には当たり前の判断をしていただきたい」と強気のコメント。
 また、ブラジルへの投資増加のために、PCCの事件に触れて「治安状況の改善を一層ブラジル政府へ求めていきたい」と話した。
 講演でジアネッチ氏は、二〇〇〇年~〇六年にかけてのブラジル経済の推移とその要因についての概観を説明。「この六年間で、ブラジルの対外輸出額が五百四十億ドルから約千三百億ドルまでの急成長を示しており、ブラジル経済は上向き方向にある」と語った。
 しかし一方で、同期間に、国内総生産(GDP)に占める輸出額の割合が一〇%から一六%までしか伸びなかったこと、世界貿易に占めるブラジルの輸出入額の比率が、〇・三%の伸びしか見せなかったことを指摘。
 その要因として(1)サントス港などをはじめとした港湾整備の不備、(2)製品輸出までにかかる各種の重税、(3)対ドルへのレアル高を挙げ、「物流管理の整備と抜本的な税制改革が急務」だとした。
 また、パラグアイ、ウルグアイが、メルコスール(南米南部共同市場)の一員として利益が得られていない状況を説明し、「米国や欧州諸国と個別にFTA(自由貿易協定)を結ぶ動きが見られる」と述べた。
 この日紹介された新役員は次の通り。(カッコ内は前任者、敬称略)「伊藤忠ブラジル」=田中一男(金岡正洋)、「ヤスダ・セグーロス」=米倉立次郎(遠藤雅清)、「パイロット・ペン・ド・ブラジル」=辻井可和。