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コラム オーリャ!

 祖父母にもっと昔の話を聞いておけば良かったなと思うことがある。
 ある戦前移民の男性と話す機会があった。少年の頃に渡伯、戦争前に日本で学び、戦後はブラジルで生活してきた人だ。
 自分史を書いているという。本人は「行状記ですよ」と笑っていたが。
 幼少時から現在まで、印象に残る出来事を書いている。他と少し違うのは、それをポルトガル語に翻訳している事だ。
 きっかけは孫に昔の話をした時。戦前戦中の事、孫達はその話を信じず笑っていたという。
 日本人が「敵」として遇された時代があった。世代が移るにつれ、こうした歴史が教えられなくなっているようだ。「ブラジル語で残しておけば、読むでしょう」、男性はそう話していた。
 資料館に行くだけが移民史の勉強ではない。その時代を生きた人が、家庭から歴史を伝える事の大切さを思った。(ま)

  06/05/24