2006年5月25日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】ルーラ大統領は二十三日、経済政策とくに為替制度と税制改正の変更はなく、現行制度を継続していく方針を明らかにした。トカンチンス州アギアルノポリス市での南北鉄道の視察を終えた後の演説で語ったもので、外国為替相場は現行の変動相場制度(フローティング)を継続していくとの認識を強調した。
これを踏まえ、二十二日にドル相場が三・六七%上昇し、二〇〇三年五月二十六日以来のドル高になったのは、国際金融市場の混乱が原因だと指摘した。その上で国際的混乱の原因はアメリカのFRBの(金利引上げ指向の)発表がもたらしたもので、ブラジル国内は均衡を保っているとし、我々には十分な外貨準備金があり、経済も平静であるとの見方を強調した。
さらに国際市場の影響や国内の統一選挙を視野に入れた経済政策変更は一切あり得ないと断言した。また一部で税制改革を要求する声もあるが、現段階では実施しないとの見解も示した。
公共支出に関しては予算の許された範囲内で公約したものを遂行するのみで、やたらに散財しないのが政府の信条だと語った。財政黒字への懸念が現政府の不信感となっていることについては、黒字を維持するのが政府の第一条件で、経済成長に不安はないとの楽観姿勢を見せた。
大統領は演説の中で、エネルギー政策審議会が植物油からディーゼル燃料を生産することを決定したのと、ペトロブラス(石油公団)が向こう二年間で現在ボリビアから輸入している天然ガスと同量のガス油田を発掘することを発表したのを受けて、エネルギー分野での画期的進展だと絶賛した上で、先週一週間は「素晴らしい朗報に沸いた」と語った。これにより二〇年および三〇年先はブラジルはエネルギー大国になるだろうとして、現在の若者に莫大な遺産を継承すると胸を張った。