2006年5月26日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十五日】調査機関のCNT/センサスが二十四日、ルーラ大統領が大統領選の一次投票で過半数を獲得する可能性があるとした調査結果を発表した。あらゆるケースを想定しても、大統領が四〇・五%から四二・一%を獲得した。一方、対抗馬と目されるアウキミン氏は一八・七%から二〇・八%に留まっている。大統領は低所得層へのパーフォマンスに力を入れたことが功を奏したものと思われる。政府に対する評価も最近、上向きであることを調査は示した。もし決選投票にもつれ込んでも、大統領の優勢に変わりはないと発表した。
調査は二十三日、全国二五八都市で六〇〇〇人の有権者に質問した。無党派票はほとんど動きがなく、他候補が支持率を下げる中、ルーラ大統領とエレーナ上議はやや上向いた。特に大統領が通い続けた北東部地方では伸びが顕著である。調査では、大統領が低所得層にしっかり根を下ろしたことがうかがえる。
調査はアウキミン前サンパウロ州知事にとって不利な時期に行われ、ルーラ大統領は高みの見物。また調査が行われた五月は、労働者党(PT)の宣伝プログラムが連日テレビで放映されたため有利であった。六月はブラジル民主社会党(PSDB)と自由前線党(PFL)がテレビに登場し、アウキミン氏が点数を稼ぐ番である。
決選投票となった場合、ルーラ大統領は全ての予想候補に対し優勢とみられる。相手がアウキミン氏なら三五%、大統領は五二%。ガロチーニョ氏なら二四%、大統領は五七%。ブラジル民主運動党(PMDB)が候補を立てなければ、ルーラ大統領はさらに有利となる。
治安問題に関する質問で、PCC(州都第一コマンド)襲撃事件はアウキミン氏に不利となった。「事件で同氏の人気が落ちた」と答えた人は五〇・一%、「落ちていない」が二二・八%。PCC騒動の責任は、連邦政府が二九・八%、州政府が一三・七%、市が五・五%、連邦と州と市が二九・六%。襲撃事件の原因は犯罪の温床が五七%、政治の貧困が一九・五%。
ボリビアのガスについて、「大統領選でルーラ候補に不利」と答えた人は二八・四%、「不利でない」が二八・〇%。政府の対応は妥当が一九・九%、拙劣が二八・二%。いかに対処すべきかについては、投資中止が一七・七%、ペトロブラス撤退が一六・一%、裁判所へ提訴が一二・六%、その他一・四%。
PSDBは、PT政権の治安対策がPCCの襲撃につながった経緯を分かり易く有権者に説明するという。連邦警察がサンパウロ州政府へ送った秘密文書によれば、支持率を有利に導くためPTが発注したPCC騒動とされる。投票箱を見ればわかる。PCCはPTに票を投じる。貧乏人を食い物にする点で、大統領もPCCボスのマルコーラも共通するという。
大統領は同調査の好結果に油断しないよう連立与党へ警告した。立候補の決断までに時期尚早な調査である。まだ二十八日間考える時間があり、誰が立候補するのか情勢の変化を見ないと何も決定できないと大統領は述べた。