2006年5月26日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】ドル安にもめげず、観光による収入は今年第1・四半期で昨年同期比一九・七三%の増加となった。中銀が明らかにしたもので、為替の悪環境のもと、稀にみる上昇率だとして驚きをもって迎えられている。
今年一月から四月までに外国人観光客がブラジル国内に落としたドルは一五億ドルに上り、昨年同期の一三億ドルを上回った。これにより昨年一年間の観光収入の三八億ドルを今年は上回ると期待されている。
しかし、ブラジル人が外国で散財するのも増加しており、収支は相変わらず赤字となっている。四月にブラジル人が外国で使ったのは四億三二〇〇万ドルで、昨年の三億二八〇〇万ドルより増加とした。
ドル安がブラジル人の海外旅行に拍車をかけたもので、四月度の収支は八八〇〇万ドルの赤字となった。昨年四月度の赤字は三四〇〇万ドルだった。今年四カ月間の海外での支出総額は一六億八〇〇〇万ドル(昨年は一一億九〇〇〇万ドル)で、赤字総額は一億一九〇〇万ドル(昨年は一億七〇〇万ドル)になった。
いっぽうで海外から観光部門への投資は今年四カ月間で三億二八〇〇万ドルに上り、すでに昨年一年間の二億九七〇〇万ドルを上回る人気ぶりを見せている。そのほとんどが北東部地方のホテルやリゾート向けとなっている。
中銀筋によると、北東部の海岸地帯を中心とした観光地が人気を博しており、ブラジルで今問題視されている治安も外国人はさほど気にしていないという。自国でテロ活動に悩まされている海外の観光客は、テロのないブラジル北東部を楽天地の一つに挙げている。またサンパウロ市で発生したPCCの暴挙も国内の問題(警官との対立)と捉えているという。サンパウロ市への訪問は商用、イベントなどが目的で、外国人の訪問は減少することはないとみている。