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コラム 樹海

 最近、本紙の「ぷらっさ」欄への投稿はあふれるほど多い。いっぽうで、担当編集者が困っていることがある。規定の文字数(千~千五百字程度)が守られていない、長文の原稿が少なからず寄せられるからだ。規定をはずれているから掲載しない、いや、せっかく書いたのだから削ってでも、あるいは、分割してもいいか、などと悩む▼コロニアには、随想、主張、小論などを日本語で発表できる場が極めて少ない。新聞のほか、文芸関係誌が数誌あるのみだ。発行が月刊以上に間があくし、投稿しても掲載以前に選考される。分野違いだと、投稿するのに遠慮の気持が動く。いきおい、投稿は広く門戸が開放されている新聞に集中する▼新聞社としては歓迎しているのだが、掲載ページをたくさん割けるわけではない。投稿欄そのものが気にいらないという読者もいて、つまらないからやめよ、と言ってきたりする▼人に喜んでもらえる文章を書くのは難しい。読む人のためになり、楽しく飽きさせずに、分かってもらえる文章がいい文章である。自分中心のことを長文にするのは、避けるべきだろう。そのような文章は自身の日記帳や自分史に記しておけばよい。自信作なら文芸誌への投稿もいいだろう。要は、読んでくれる人あってこその投稿なのである▼長い文章が立派なのではない。新聞は、エスパッソが限られているからこそ、文字数を限定して投稿を呼びかけている。その辺を理解して「ぷらっさ」欄を賑やかにしていただきたい。(神)

06/05/26