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4分の3の市で不正確認=8州では汚職率100%

2006年5月30日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】連邦政府の交付金の監査機関である連邦監査庁(CGU)が全国七八〇市を対象に監査を実施した結果、ほぼ四分の三(七七・二%)にあたる六〇二市で深刻な不正が確認された。不正の多くは、入札なしの業務委託や入札時の談合、請求書の偽造、縁故企業との業務契約など巧妙な手口で行われ、隠ぺいされていた。
 アラゴアス、アマゾナス、アマパー、セアラ―、ピアウイー、セルジッペ、ロンドニア、ロライマの八州では、監査した市すべてで不正が確認された。サンパウロ州では五八・%、不正の割合が最も低かったのはリオ・グランデ・ド・スル州(四四・一%)だった。
 例えば、アマゾナス州ボア・ヴィスタ・デ・ラモス市では二〇〇四年、市長の任期が終了する八日前に下水処理場建設を目的に七三万一五〇〇レアルが交付されたが、その後工事が行われなかった。また、同州トカンチンス市では、市職員十三人が昨年まで貧困層が対象の家族支援金を受け取っていた。リオ・グランデ・ド・ノルテ州ペンデンシアス市では〇四年、豪雨で破壊された家屋八〇軒の再建に自治省から五一万一〇〇〇レアルを受け取ったが、現在まで一軒も建て直されなかった。
 「ブラジルで五百年間続いてきた汚職と不正だが、現在ほど深刻なものはかつてなかった」と結果についてコメントしたCGUのハジェ次官は、汚職の現状をさらに世間の目にさらしていくことがCGUを始め各監督官庁や連警、検察庁の務めだと訴えた。