2006年5月31日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】上院で選挙法改正案が承認されたとき、上院議長は言った。「もしも私が執刀医なら、患者の家族に言う。腫瘍は切除しない。患者は快癒するより、このまま苦しんだほうが良い。そうすれば患者は悪事を止める」と。
ブラジルの政治はどうなっているのか。ブラジルのよき未来を夢見る政治家もいるが、努力は徒労のようだ。ローマの賢人は言った。山(ブラジル社会)から一匹のねずみ(悪徳政治家)が出てきた。宮殿(議会)に浸入しガラクタ(灰色議員)をいじっていると山羊(悪知恵に長けた政治家)に出会った。ねずみは山羊と仲良しになった。
裏金スキャンダルがウヤムヤに終わったことで、ねずみと山羊はますます増える。第二の裏金システム、第三の裏金システムが考案され、裏金で甘い汁を吸う第二第三の灰色議員が次々現れることを、今回の疑惑が物語っている。
議会はどうなっているのか。今度こそは真面目な議員に投票したいと希望する有権者は、政界地図が複雑で分からない。選挙のときは比例代表で有利な党から立候補し、当選したら美味しそうなエサを提供する党へ鞍替えする。
選挙法改正案は、比例代表制で有名無実となった。選挙費用が法外に高額であることに変わりはない。法外な費用を捻出するため、また不正行為が行われる。選挙ではウソ八百を並べて公約する。