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中銀、市場介入を実施=ドルが再び急騰=先行き不安で投資逃げる=インフレ再来、経済減速か

2006年6月1日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三十一日】金融変動でドル通貨が急騰したことから中央銀行は三十日、急激な為替変動を避けるため市場介入を行った。ドル通貨は一・五四%上げ、二・三一レアルに付けた。サンパウロ市証券取引所は取引指数が、過去二年間で最高の四・五四%も下げた。カントリーリスクは四・〇九%上げた。中銀は、三億九九〇〇万ドルの為替証券を売却し変動を抑えた。この金融変動は、基本金利(SELIC)の設定に大きく影響を及ぼすと金融関係者はみている。今回の金利の引き下げは〇・五%と予測されたが、〇・二五%へ絞られそうだ。
 金融変動は全世界を駆け巡った。変動の原因は、米政府の政策金利引上げを含む通貨流通量の引締め政策とされる。金融異変は、新基本金利(SELIC)を決める通貨政策委員会(COPOM)の定例会議中のハプニングであった。
 中銀によるSWAP為替証券八千証書の売りも、金融変動の歯止めにならなかった。ドルは一時的に四%高の二・三七レアルにも達した。五月だけでドルは一〇・六九%上昇した。中銀は三月までドル安に挑戦していたが、いまは状況が逆転した。
 株式市場への影響は、株価のなぎ倒しとなって表れた。五月始めの指数四万一九七九ポイントは三万六四一二ポイントへ暴落。二十五日現在で海外投資家の投機資金は一六億レアルも激減している。投機資金の引き上げは世界的な傾向だ。地震を予知して逃げる鼠の大群のようである。
 金融市場は不確定時代に入り、投資資金は途上国から一斉に引き上げられ、先進国へ鞍替えしている。これまで途上国の最有望国の一つとされたブラジルでさえも、ソデにされている。
 金融変動により中銀は、金利先物について見通し変更を余儀なくされた。米市場の金融引締めと政策金利の引き上げ、短期インフレの抑制で、米経済は冷え込みが予想される。結果として、世界経済の冷え込みに至る模様だ。米連邦準備制度理事会(FRB)は三十一日、今後の経済動向に関する議事録を公表した。
 世界の金融関係者は、国際経済の行方を心配しながら議事録の公表に注目した。三十日の金融変動に特記する要因はなかったが、先行き不安で投資家が怯えたらしい。先行き不安は何が起こる前兆か、誰も説明できない。
 外国投資家の資金引き上げで、ブラジルはドル売りが激減し、レアルは下がるばかり。ドル高騰によるインフレの再来が危惧されている。通貨政策委員会は基本金利の引き下げを様子見すると推測され、経済成長は減速することになりそうだ。
 手首を怪我したマンテガ財務相は、ギブスを巻いて全国工業連盟(CNI)の会合に出席した。会長は席上、浪費閣僚の異名を持つ財務相が政府経費で散財しないため、伝票にサインをしないように神様が怪我をさせたと紹介した。財務相は中銀総裁と犬猿の仲であったが、金融変動で豹変した中銀の判断をベタ誉めした。財務相は前言を撤回し、コメントまで中銀総裁に似てきた。

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