2006年6月1日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十一日】ルーラ大統領は二十日、三権に従事する高級官史の給与引上げを承認する暫定令を発表した。とりあえず十六万人の公務員の昇給を決定、さらに中銀および各省の公務員にも恩典を与えるべく検討委員会を政府内に設置することも明らかにした。
今回昇給の対象となった分のみで年間一四億レアルの補正予算が必要となり、さらに下部組織に及ぶと三〇億レアル、軍部の一〇%の昇給が行われると一二億レアルの追加資金が必要となる。
野党側はこれに反発、選挙を四カ月後に控え、公務員の票集めを狙った大統領の大盤振舞だと非難している。
大統領はプラナルト宮に、上下院両議長および最高裁長官の三権の長を呼び、マンテガ財務相とベルナルド予算管理相の出席のもとで暫定令の主旨を説明、異論は出なかった。
今回の昇給枠は五%から一〇%で、高級官史一一二万三七七三人の平均給与は三三八九・七九レアルとなる見込み。この中には中銀、科学技術省、教育省、農務省、保健省の役人も含まれている。軍部は六四万三六四〇人で平均給与は二七一三・三〇レアルとなる。上下院は三万四六五三人が対象で九九一七・五九レアル、司法省は一〇万九二五二人で九一一三・九三レアル、検察庁は一万二〇七人で一万一九八八・七六レアルとなる。
ベルナルド予算管理相によると、大統領の意向は三権の平均給与を均衡させるのが目的だとし、委員会に検討を命じたという。さらに能力も昇給に反映すべきだと強調している。例えば連警の初任給は七〇〇〇レアルだが、経験を積んで昇進しても給与は九〇〇〇レアルどまりと格差が小さいのは是正すべきだとの見解を示した。