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JICA青年ボランティア リレーエッセイ=最前線から=連載(44)=中江由美=ポルトベーリョ日系クラブ=みんなで楽しむ運動会

2006年6月1日(木)

 五月五日の子どもの日を記念して、毎年恒例の運動会が日系クラブで行われた。晴天の中、朝から鯉のぼりを揚げ、生徒、保護者、その友人家族も集まり、にぎやかな運動会となった。
 熱帯なので、朝十時にもなると日差しが強く、もう汗ダラダラ。去年はひたすらカメラマンと旗持ちなど裏仕事に励み、この暑さの中で走ったら日射病で倒れるのでは、などと心配していた私だが、今年は大人部門で短距離走などに参加し、楽しんだ。
 運動会の種目は、玉入れ、リレー、パン食い競争、綱引きなど定番のものから、日本では見たことのない愉快なものもある。
 飴食い競争ではなく、水に浮かべたりんごを口で取る「りんご食い競争」、借り物競争ならぬ、名前をで相手を見つける「花婿探しレース」、茶色の紙袋をかぶって顔を隠し、カンカンと鍋をたたく人について走る「目隠し競争」など。
 子どもだけでなく、大人も必死になって、参加したり、声が枯れるほど大声で応援したり、リレーで三歳ぐらいの子どもには大人が手をひいていっしょに走ったりとほほえましい光景が見られた。
 屋外だけでなく、屋内で、子どもからお年よりまで皆が参加できるプログラムもある。空き缶でボーリングや的当て、お箸でフェイジョンをお皿からコップへ移すゲームなどもあり、大好評だった。
 定番のフォークダンスも去年の文化祭でよく練習したので、皆上手に楽しく踊ることが出来た。お昼ご飯は日系人のおばさんが作ってくれたおすしや、先生の作った玉子焼きやお好み焼き。テコンドーやマジックショーも場を盛り上げた。 一位から三位には米や油、石鹸など賞品が出たが、入賞しなくても参加者みんなが楽しんでいた。生徒に聞くとブラジルの学校では、球技などのスポーツ大会はあるが、このような運動会はないという。
 学校でも、主科目の勉強だけで芸術、道徳、学級会などはないし、学校にいる時間が少なく、皆で一緒に何かをする時間が少ないようだ。
 運動会のように子どもからお年よりまでが一緒に楽しむ行事は、子ども達が協力し合うという意味においてもいい勉強になっているのではないだろうか。
 日系クラブでは、運動会以外に雛祭り、七夕、盆踊り、文化祭、もちつき、すき焼き会、焼きそば会などの行事があり、多くの人が集まるいい機会となっている。
 日系、非日系を問わず、日本や日本文化の良さを知ってもらい、ポルトベーリョ日系クラブが今後ますます活発に発展していくことを願っている。
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【職種】日本語教師 
【出身地】滋賀県大津市
【年齢】26歳