2006年6月1日(木)
明治神宮春の大祭奉祝献詠歌入選者発表が、このほどあり、ブラジルからは徳永悦子さんら八人が選ばれた。
◇入選二十首中一首
祖國恋ひ仲麻呂の仰ぎし満月よアマゾンに老いゆく我をも照らす 徳永 悦子
◇佳作入選百七十首中七首
数百の牛に混じりてひたすらに廃馬草食む無聊の日々を 秋村蒼一郎
百年の息吹感ずる史料館案内すれば移民等の声 新井 知里
開拓の先駆者とむらふバスの旅久々に見る満天の星 久保 昌子
ほそぼそと歌詠むわれのかたはらに父の遺しし広辞苑重し 崎山美知子
外国に父母逝きひとりとなりし庭にすだれのやうに椰子の花咲く 田辺 艶子
ブラジルに命を賭けて咲かせたる花守の居て桜咲き継ぐ 西山 溥子
苞割りて出でしは夜のうちならむ山吹色の椰子の花房 藤田 朝寿
選者は岡野弘彦、藤井常世、蒔田さくら子、武川忠一。(作品は五十音順)