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小都市住民に白内障手術=チャベス大統領が無料招待=ペルナンブッコ州

2006年6月2日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】ベネズエラのチャベス大統領がブラジルの小都市の住民を白内障の手術に無料招待するという前代未聞の出来事があり、話題を呼んでいる。
 招待を受けてベネズエラに飛び立ったのはペルナンブッコ州アブレウ・エ・リマ市の市民九十九人で、三十一日午後十二時四十分、グアララペス空港からベネズエラ政府がチャーターしたボーイング機でカラカスに向かった。このうち七十九人が同地で白内障の手術を受ける。十六人は家族の付添いで、四人は市役所の職員。航空代、手術費および八日間が予定の滞在費はすべてベネズエラ政府の負担となる。
 今回の措置はベネズエラ政府と同市の間で直接合意し実現したもので、政府および州はツンボ座敷に置かれたことで不快感を隠していない。とくに州保健局は国内で手術できるものを(実際に無料で月二〇〇件の手術を行っているとして)隣国に行く必要がないとした上で、手術の責任と、六カ月はかかる術後治療はどうするのかと指摘している、これに対し同市長は、手術を受けたくてもできず症状が進行した人ばかりで、術後は市が面倒を見ると保証している。
 同市はベネズエラと縁が深く移民を入植している。チャベス大統領も過去二度訪問、名誉市民の称号を与えられている。十九世紀に時の将軍アブレウ・エ・リマの出身地だったことから同市の名前の由来となった。将軍はベネズエラの独立運動に尽したベネズエラの英雄シモン・ボリヴァ―の元に駆けつけて応援したことで、ベネズエラ国民に敬愛されている。
 ボリヴァ―はチャベス大統領が崇高する人物の一人で、これが同市とのつながりとなった。昨年十二月に同市で両将軍の胸像除幕式にチャベス大統領も列席した経緯がある。