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個人情報売却の可能性も=データベース近代化に伴い=サンパウロ州

2006年6月6日(火)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙四日】サンパウロ州保安局は、州政府の所有する個人情報の整理・管理を入札で選ばれた民間企業に委託すると同時に、情報の売却を同企業に許可する計画案を検討している。
 フィーリョ保安局長官は、犯罪防止策の一環として、現在紙に記載されている四五〇〇万枚の個人情報と六〇〇〇万枚の犯罪記録などをデジタル化し、データベースすべての近代化を進めたい考え。レンボ知事の支持も取り付けたという。
 経済企画局の官民合同(PPP)チームによると、近代化には初期投資だけで約四億九〇〇〇万レアルが必要で、その見返りとして、個人情報の一般企業などへの売却が計画に盛り込まれている。その結果、例えばある企業が州民の犯罪歴データにアクセスし、仕事の依頼を断ることも可能となる。また、そうした情報に電話会社や連邦国税庁のデータが含まれていることも問題の一つとみられている。
 ブラジル弁護士会(OAB)サンパウロ州支部のマルカシニ司法情報委員長は、「近代化は結構だが、個人情報を売ることはない。憲法違反であり、州民のプライバシーを売り物にする馬鹿げたもの」と計画を厳しく批判した。保安局広報課は二日、同計画はまだ前段階にあるに過ぎず、民間企業の参加が実現するかどうかは全くの未定とした声明を発表した。