2006年6月7日(水)
ボリビア政府のガス国有化で、国内産業はいっせいにバイオ・ディーゼルやエタノール、H・バイオのバイオ燃料を代替燃料として注目している。これまで国内運行の乗用車にディーゼル・エンジンの使用を禁じていたが、バイオ・ディーゼルには解禁になるらしい。ディーゼルオイルに植物油を一〇%から一八%混合するH・バイオに関する技術は、目下ペトロブラスが急きょ開発中。ガソリンは自給可能となったブラジルであるが、ディーゼルオイルはまだ国内消費の一五%、七〇億リットルを輸入している。
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フルラン産業開発相は、国際舞台でのブラジルの政治力不足をエタノールが補うだろうと見解を述べた。不安定な石油資源の将来に較べて、エタノールは確実に足元を固めている。二〇一〇年には生産量が現在の四〇%増に上るとみている。ブラジルは、生産技術やノウハウで世界の最先端にある。エタノール輸入に関税を課した米市場を尻目に、日本がアジアへの窓口となりつつある。エタノール需要は近年激増していると、フィナンシアル・タイムズのインタビューに答えた。地元南米ではベネズエラのチャベス大統領とボリビアのモラレス大統領に袖にされたが、エタノールがブラジルの政治基盤を高めるとみている。ベネズエラとボリビアの両国は、原油暴騰に乗じて調子付いている。カリブ海地域で安いベネズエラの石油を売りつけ、恩も売っている。ブラジルも同地域でエタノール生産のノウハウを提供する計画だ。