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バレエ通じた文化交流を=ユバ農場とサンパウロ市のバレエ団

2006年6月7日(水)

 ミランドーポリス市の弓場農場(コムニダーデ・ユバ協会=弓場常雄代表)では、今月から二回にわたり、サンパウロのスタジウム・バレエ団(代表=マリカ・ジダーリ、デシオ・オテロ)と「ブラジルと日本の文化融合」をテーマに、交流事業を実施する。
 この文化事業は、ミランドーポリス市制七十二周年と日本移民九十八周年、弓場勇(弓場農場創立者)生誕百周年を記念し、全二部に分けて実施される。
 第一部は十七と十八日、スタジウム・バレエ団と弓場バレエ団の双方によるバレエ公演が弓場劇場において開かれる。
 十七日は弓場バレエ団、十八日はスタジウム・バレエ団による公演となる。入場は両日共、無料。
 一九六二年に創立した弓場バレエ団(小原明子代表)は、国内だけでなく日本やパラグアイにおいても公演を行ってきた。弓場農場のほとんどが参加・協力を行なっている同バレエ団の活動。現在まで、八百回もの公演を成功させてきた。
 スタジウム・バレエ団は、一九七一年、マリカ・ジダーリ氏とデシオ・オテロ氏によって創立された。軍事政権により「表現の自由」が規制されていた時代から現在にいたるまで、ブラジルダンス界の常識の枠を越えた革命的なダンスに取組みつづけてきた。ブラジルの特徴を多いに取り入れた創作ダンスは、海外でも大きな反響を呼び起こしている。
 演劇のスタイルだけでなく、公演スタイルも様々で、公立学校の広場やファベーラ、海岸、教会、病院、地下鉄の駅、インディオ部落といったあらゆる場所で公演を実現させ、幅広い観客と接する機会をつくってきた。
 第二部では、七月二十一日から二十三日までの三日間、弓場農場内において「プロジェクト・ジョアニーニャ」が実施される。
 このプロジェクトは、サンパウロ市内の貧困地域の子供たちに無料でダンスや演劇、音楽、カポエイラの指導し、規律や協力、衛生などの意識を高めてもらおうとスタジウム・バレエ団が始めた社会福祉活動。
 昨年に続いて今年もジョアニーニャの子供たちを弓場農場へ招き、作品発表や農作業、ワークショップ、ダンスレッスンなどを通して、地域の人々との交流をはかる。
 弓場農場のコーディネーターを務める小原あやさんは「バレエという芸術を通して文化交流の一端となってくれれば」と意気込みを語った。