年寄りは昔から「生きているうちに(こんなことを)見ることができるのだろうか。体験できるのだろうか」とよく口にしたものだ。主として、技術革新に関わることで、自分の寿命の尽きる時と、技術の進み方を比較した言い方だった▼技術革新は、予想外に早く、人々は、テレビというものを所有したり、ロケットが月に人を運んだり、人口衛星を打ち上げたり、宇宙に「駅」を設けたりするのを見てきた。こうした例は数え切れないほどだ。興味や好奇心が尽きない人は、その気になれば、若者並みにケータイを駆使して便利な?暮らしをすることができる▼六〇年代の終わりごろであったが、南米銀行が新世代コンピュータ・システムを導入するというので、担当役員に話をききにいったことがある。当時、不勉強で、そのシステムを大掛かりな電算機でも入れるのだろうくらいに考えていたのを、苦く思い出す。今、生き残っている銀行の業務簡便化は隔世の感がある▼さて、最近は次世代型ロボットが話題である。米国は軍事・宇宙開発分野で、欧州は医療や酪農用に向けようと技術革新が進んでいるという▼興味があるのは身近な活用だ。介護、接客、清掃と主としてサービス部門で活躍させることを狙っている。高齢化が極まり、息子や嫁にイヤな顔をされないために、高齢者夫婦、独り暮らしには大変なアジュダンテになりそうなのだ。生きているうちに、〃使用〃できそうなくらい、身近に来ている。問題はコストだが…。(神)
06/06/07