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5月の自動車生産過去最高=輸出は史上2番目に=ドル安で今後は悲観の業界

2006年6月8日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】ドル安傾向が一向に改善されず、国際市場での競争力低下に直面している自動車業界だが、五月度の生産は二四万五二〇〇台となり、これまでの最高を記録した。
 前月と比べ二〇・一%増、昨年同月比で一〇・四%増で、これにより今年に入っての生産台数は一〇八万五九五台となり、これまた史上最高となった。
 全国自動車メーカー協会が発表したもので、不況にあえぎ経営再建プランや従業員解雇の方針を打ち出しているフォルクスワーゲンやGMの惨状とは打って変わったコントラストの数字となった。現在、フォルクスワーゲンのみで六〇〇〇人の解雇を予定している。
 輸出は業界内でブラジル政府の為替政策への不満が渦巻く中、それでも五月度は一〇億五八〇〇万ドルの実績を挙げ、昨年五月の一〇億九二〇〇万ドルに次ぐ史上二位となった。前月と比し一六・七%増だった。今年の累計は四六億二〇〇〇万ドルで、これまた最高の記録となった。
 しかし協会筋では、ドル安が直撃して明らかに輸出にブレーキがかかっていると今後を悲観視している。金額で好調な推移とみられるが、実は為替差損を上乗せした価格調整が原因だとしている。
 昨年は輸出が四〇%の伸長となったが、今年に入りこれまで八・六%しか増加しておらず、年末までには二・七%成長にとどまると指摘している。現に輸出台数は三五万一七六一台で、昨年の五カ月間と比し、わずか〇・二%の伸びにとどまった。
 これを受けて業界では為替政策の近代化を政府にさらに強く要請するとの方針を示している。また、社会経済開発銀行による輸出促進融資システムの確立を早急に打ち出すよう求めるとしている。
 いっぽうで経済成長と金利引下げで国内需要は当初の予想を上回っている。五月度の国内販売は一六万四〇〇〇台で、前月比二五%増、昨年五月対比で一四・八%増となった。今年五月までの販売は七一万二八〇〇台で、昨年同期比九・四%増と好調だった。協会では今年の販売台数を一八〇万台と予想している。昨年比七・一%増となる。さらに生産台数は昨年比四・五%増の二四五万台に達するとみている。

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