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ひとまち点描=笠戸丸移民の娘として

2006年6月8日(木)

 「お父さんも天国で喜んでくれていると思いながら編みました」と話すのは、ソロカバ在住の又吉イウダさん(85)。
 イウダさんとその家族は、先日行なわれたグアルーリョス市「憩の園の運動会」の場で入園者に贈呈しようと、百本ものマフラーを編みあげ会場へ現れた。
 イウダさんは、第一回笠戸丸移民の宮平松さん(故人)の娘さん。母親はイウダさんが幼かった頃に亡くなり、父親っ子で育った。
 二年後の移民百周年にちなみ「マフラー百本」の計画を進めてきた。子供や娘婿、孫、甥や姪も喜んで協力したという。今回、運動会の機会を利用して贈呈することにした。
 現在「憩の園」の入園者は八十八人。今回贈られた百本のマフラーは十分な数だ。「お年寄りがとても大好きなんです。ぬくいえりまきが喜ばれると思ってね。やっとあげられてうれしい」。常に笠戸丸移民の娘として何らかの形で奉仕をしたかった、と長年の夢を語る。
 その夢が叶った今、「やっと、やっとしてあげられた」と何度も喜ぶ姿が印象的。(未来)