2006年6月9日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】サンパウロ市内での物価下落が顕著となり、五月度は〇・三二%のデフレを記録、二〇〇二年二月以来の六年三カ月ぶりの大幅なデフレとなった。経済調査院(FIPE)が、算出する消費者物価指数(IPC)で五月度はマイナス〇・二二%となり、〇二年二月のマイナス〇・二三%に次いだ。
アナリストらの予想はマイナス〇・〇八%から最高でマイナス〇・二〇%とまりとなっていたが、それを上回った。これにより過去十二カ月間(昨年六月から今年五月)のインフレ率は一・九七%となり、一九九九年七月の過去十二カ月間の一・三六%に次ぐ低率を示した。
五月の物価指数では食料品と交通費の値下げがデフレの要因となった。この二つの部門が、FIPEが当初予想していたマイナス〇・一〇%を大きく塗り替え、最終的にマイナス〇・二二%となった。
食料品は指数がマイナス〇・八九%となり、消費者段階で一・八%から二%の物価引き下げとなった。生鮮品の値下げが顕著で、次いで工業加工品だった。
交通費は指数でマイナス〇・六一%となった。とりわけ代表されるのがアルコール燃料の値下げで一七・五五%だった。消費者の段階ではマイナス二〇%のデフレとなった。
このほかでは住宅費がマイナス〇・〇一%の指数だった以外はプラスで推移した。保健費は〇・八%、衣料が〇・三九%、教育費が〇・一%、個人経費が〇・〇二%とそれぞれ上昇をみた。
FIPEでは四月末に今年のインフレ予想をこれまでの四・五%から四%に下方修正したばかりで、五月のデフレで再度見直しが迫られるものの、六月度も五月度とほぼ同水準で推移するとみていることから、六月の数値を見た上で修正に踏み切りたいとしている。中銀がまとめた百社の金融機関の年内インフレ予想は平均三・五八%から三・四八%となっている。