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米国不法滞在者に朗報=800万人に永住権申請許可

2006年6月9日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】アメリカの上院議会は二十五日、移民法の改正案を賛成多数で可決した。これにより約二十年にわたり旧法を維持してきた移民法の改正で不法滞在者に永住権獲得などの機会が与えられ、不法滞在者らはようやく陽の目を見られるようになった。
 アメリカにはブラジルから渡った不法入国者が多数おり、当局の摘発を怖れてしいたげられた生活を強いられていることから、今回の改正は朗報として受け止められている。不法滞在者に限らず、改正では年間二〇万人の新規テンポラリービザを発給するとしており、就労の場を求めてアメリカ渡航を希望する識者や大学卒の若者にも前途が開かれるとみられている。
 上院議会の決定は一二〇〇万人の不法滞在者のうち、八〇〇万人と言われる五年以上の滞在者に対し永住ビザの申請を許可するもの。この際、滞納している税金や罰金を支払わなければならない。永住ビザを取得した五年後には市民権の資格が得られる。滞在が二年半以上で五年以内の不法入国者にも永住ビザの申請が可能だが、審査はより厳しく時間を要する。このほかの不法滞在者は従来通り国外追放となる。
 いっぽうで密入国の取締りも強化、ブラジル人が多く利用するメキシコ国境の壁は強固なものとなる、また不法滞在者を就労させると、罰金が従来の倍の二万ドルに引き上げられた。