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アウキミン氏を公認候補に=PSDB=大統領選へ態勢固め=現政権に挑戦状叩きつけ=残された「一抹の不安」

2006年6月13日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】ベロ・オリゾンテ市で開催されたブラジル民主社会党(PSDB)党大会で大統領公認候補に指名されたアウキミン前サンパウロ州知事は十一日、施政方針の説明とともに現政権批判へ矛先を向け、検事総長から告発された「四十人の盗賊」の首領はどこへ行ったのかと訴えた。もしルーラ大統領が再選されるなら、省庁と公社、官僚を汚職の構造に変革した現政権における不正の数々を徹底的に暴くと宣言し、事実上選挙戦の火ぶたを切った。財政政策では、大衆路線の名のもとに迎合主義で人気取りに傾注、この結果は二〇〇七年には国家にとって由々しき事態を招くと警告した。
 アウキミン公認候補は、労働者党(PT)の赤い旗は「恥」を象徴する赤であると皮肉った。政府機関をこれほどまで泥棒の巣にした政権はブラジルの歴史にないと酷評した。党公認が決まって退場者の目立つ中、最後に同公認候補が演台に立った。
 同候補のスピーチは長く理屈っぽいと、党内でも不評のようだ。党作成の原文をソデにし、独自色を打ち出したアウキミン候補は、公認指名に必要な三四七票をわずかに上回る三八四票を得たに過ぎなかった。
 ネーヴェス・ミナス・ジェライス州知事は、アウキミン候補を政治力に欠けると評した。同知事の苦言のニュアンスは、アウキミン候補に一抹の不安を与えた。二〇一〇年の大統領選に向けた、ネーヴェス知事の伏線とも取れるからだ。
 次回大統領選は、セーラ候補で暗黙の了解がある。これは、アウキミン候補に歩を譲ったセーラ候補との紳士協定である。しかし、アウキミン候補が大統領に当選した場合、ミナス州のセーラ支援はないという意味らしい。だから今回ミナス州のアウキミン支援は、次回ネーヴェス候補支援への交換条件らしい。
 自由前線党(PFL)からは、レンボサンパウロ州知事やカサブサンパウロ市長がPSDB党大会に参加した。挨拶を述べたのは、副大統領候補のジョルジェ氏のみであった。
 PSDB首脳部が下書きをした党声明は、ブラジル発展の王道から外れた政治の私物化を封じるものであった。しかし、アウキミン候補は積年の思いを記録したメモ帳を取り出し、経済と教育、医療、治安、外交について語り始めた。最後に「経済成長こそは、ブラジル国民の叫びである」と締めくくった。
 現政権は政府機関に無頼の仲間を呼び集め、省庁を十二も増やした。公社にも閑職を無数につくり、党員に就職をあっ旋し、不正資金集めに奔走させた。この違法活動を土台とする中央集権システムを、アウキミン候補は一掃するというのだ。
 まず、投資を呼び込む公共料金の裁定規準を改定する。公務員勤務評定の設定。外交は妄想の遊びを止める。ベネズエラのチャベス大統領とボリビアのモラレス大統領は、ブラジルの政治に指一本触れない約束であったはず。
 ジェンロ憲政相は、アウキミン候補の弾劾示唆を受けて立つと豪語した。これまでの政権でCPI(議会調査委員会)や連邦警察、連邦監察局のみそぎを受けたガラス張りの政権は他にないと自負した。