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第2期政権経済政策を発表=PT=中銀独立案を除外=経済成長など8つの主要項目=基本金利は高すぎ

2006年6月14日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】ベルゾイーニ労働者党(PT)党首は十二日、ルーラ大統領が再選された場合の新経済政策を発表した。第二期政権のプログラムは、PT政権の左傾化を打ち出す八つの主要項目からなる。かねての懸案であった中央銀行の独立案を新政権のプログラムから外す代わりに、単なる通貨管理に留まらず産業振興や雇用創出、失業対策、所得向上、社会環境にも中銀が取組むことになる。その他の政策方針は、基本金利や経済成長、所得の再分配、差別の廃止、南米共同市場、教育、汚職対策などからなる。
 政策原案は大統領国際問題担当顧問のマルコ・A・ガルシア氏を中心とするグループが作成した。いつも原案作成に参加するブルーノ・マラニョン氏は今回、下院ビル乱入事件に連座したため外された。
 中銀には連邦令に定められた本来の使命があり、独立権限を与えて行政府の管轄から離れることはPT政権の本意ではないと、ベルゾイーニPT党首が説明した。中銀は、政府官僚や国会とともに政府のマクロ経済政策にも関わる。
 ルーラ第二期政権の可能性が高まったことで、新しい中銀の役割を明らかにした。党はルーラ大統領を中心に結束しており、さらに四年の任期が巡ってくるなら、次期政権の政策原案も党創立の精神に基づき、夢の実現へ向けて軌道修正を行うという。
 政権獲得当初には中銀の独立を支持する意見が党内に多かったが、党を二分するほどの議論へ発展した。当時の財務相であったパロッシ氏が、中銀の独立は政治的見地ではなく、技術的見地から判断すべきとして棚上げにした。
 欧米などで取り入れている通貨の発行権を持つ中銀方式は、PTの政治理念と相容れない。中銀は行政府の判断に従うのが基本方針で、PTのみならず連立与党も理解すべきだという。これが第二期政権の根幹になるという見方だ。
 同党首は基本金利に言及し、現行金利は実質金利で七・五%から八・〇%にあり、高水準で必然性に欠けるとした。インフレ目標を固定すると、理想目標を誤る危険がある。基本金利は、為替政策と通商政策、経済成長を考慮した利率を設定すべきと述べた。
 経済成長率は、過去二十年間の平均以上を目指す。そのためインフラ整備と有望分野を強化する。所得の分配は、農地改革と都市計画による下層民扶助で。格差是正は人種差別やゲイの差別廃止で。南米統合は南米共同市場の設立。教育政策は大学のテコ入れ。
 同経済政策原案は、七月下旬までに連立与党や労組、その他政治団体へも打診し、了承を得る予定。現連立与党の中には、第二期も連立を継続するか検討中の党がある。連立与党にとっては、経済成長率が低いと地元への公共投資も出来ず、連立の意味がなくなるからだ。
 ルーラ大統領は十九日、二十四日予定の党大会に先立ち、再出馬の名乗りを挙げるものと思われる。PTは最高裁や検事総長から告発された灰色議員を差別せず、党として全員支援するとPT党首はいう。アウキミン候補の弾劾示唆は、一〇ボルト位の感電でほとんど感じないといなした。