2006年6月14日(水)
【既報関連】帰伯逃亡デカセギ問題の焦点のひとつ、日本でおきた犯罪をブラジル国内の刑法によって裁く「代理処罰」など、日伯間の刑事司法共助に関連した担当部署の確認や意思疎通のため、日本の警察庁から係官四人が十二日に来伯した。静岡新聞が十三日付けでこれを報じた。
十二日早朝、着聖した一行は午前、移民史料館などを視察、昼から市内の日本食レストランで伯日比較法学会の四人や在聖総領事館の領事らと意見交換した。
同学会の渡部和夫理事長によれば、五月十六日に行われた討論会の内容の補足説明をした。たとえ犯罪者引渡し条約を締結してもブラジル憲法が自国民の引渡しを禁止している。そのため、国内の裁判で裁く「代理処罰」をする場合の諸問題を中心に意見交換した。同学会から原田清コーディネータ、大原毅副理事長、二宮正人理事が参加。
渡部理事長は七月中旬に次の討論会を開催したいとの予定を明らかにした。九月に同理事長が訪日するまでに、国内で代理処罰の裁判を円滑、かつ簡易に行うために必要な司法共助に関する協定の素案をまとめたいという。
十三日と十四日に首都ブラジリアで法務省や連邦警察の担当部署と協議をもち、情報収集をする。同十四日晩に帰路に就く。日本国大使館によればこの件の流れで、警察庁から係官が来伯するのははじめて。