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2006年6月14日(水)

 ブラジルとの犯罪人引渡し条約締結を目指して署名活動をしている被害者遺族らが十六日、麻生太郎外相と面談し、同条約締結を要請すると静岡新聞が報じた。すでに集まった五万五千人分の署名を手渡すという。同遺族らは参議院に、同様の請願を提出。同紙によれば「十六日の本会議で採択する公算が大きい」という。帰伯逃亡デカセギ問題をめぐる日本の世論の高まりは急激だ。いっきに国会や大臣レベルになってきた。帰伯したら逃げ切れるという悪しき現状を変え、抑止力のある状態に持っていく方向へ確実に動いている。
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 さきごろ日本柔道の最強者チームが来伯した。サンパウロはもちろんだが、リオにも至れり尽くせりの日系人の世話役がいた。ポン・デ・アスーカル地区のウルカ陸軍学校体育館が、日伯両国選手団の練習場になり、三日間毎日六十着もの汗びっしょりの柔道着(洗濯物)が出た。これらを洗濯、乾燥、アイロンがけして、翌日の練習時間までピタリと合わせたのが川田ジョージさん。川田さんは柔道指導者だ。関係者は、その遺漏のなさに頭を下げたそうだ。
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 相撲や柔道の大会で上位入賞を非日系の選手が占めるようになって久しい。先日カッポン・ボニートで開かれた相撲大会でも日系選手の結果はいまひとつ。日本の伝統文化が広くブラジル人に受け入れられるのは喜ばしい、とはいえ、同地文協の山下会長は回を重ねるたびに日系の上位入賞者が減っていくことに少々残念そうな様子。「もっと日系人の選手にがんばってほしいよ。本元ががんばらなきゃな。でも強い日系人選手は皆デカセギに行ってしまうしなぁ…」。